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エンブリヨのmidoredのレビュー・感想・評価

エンブリヨ(1976年製作の映画)
2.7
胎児に成長促進剤を投与して大変なことになるまったりホラーSFです。ひと言で言えば赤ん坊少女タマミの逆バージョン。体は大人だけれど心は赤子。つっこみどころしかないゆるゆるSFながら、犬とヒロインが魅力的で最後まで退屈せずに見れました。

特に「天才犬ナンバーワン」を演じた犬が賢くて可愛いのです。犬の身空で当たり前のように戸棚を開けてセルフサービスで食事をすませる健気さに胸を打たれます。他にも、ヒロインの手を引いたり、海から救助したり、ぬいぐるみをぶん回してから所定の場所に置いてきたり。すべての演技があまりにもスムーズすぎて着ぐるみかCGかと思うくらいでした。犬の名演技を見ているだけで癒されます。

VHSから起こしたようなぼやけた映像のせいで個体識別がしづらかったのでなんとも言えませんが演じているのは1匹のような気が。あんなに賢い犬が何匹もいてたまるかと思います。

それに、境遇を同じくする犬とヒロインの種族を超えた一心同体ぶりも泣かせました。諸悪の根源である身勝手なサイエンティストが車で犬をはねてしまう冒頭のみ要注意ですが、これはれっきとした犬映画でしょう。
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