このレビューはネタバレを含みます
観客の恋愛観を問われるような作品。
劇中、トムはサマーに妄想と理想を見て、現実的なサマーはそれをいなし本心を見せない。
トムは自身の感情をコントロールするのに精一杯で、なかなか彼女の内面を汲み取ることができない。
同じような経験をしていても、2人の環境が上手く行っている時は世界がバラ色に、そうでない時は灰色に見える。
共通点で好きになり、違う部分が許せず嫌いになる。
一度離れて冷静になる事で、思い出を温かい気持ちで振り返ることもできる。
その恋愛が運命かどうかなんて、人生の最期にしか分からないものだ。
「卒業」を見て号泣していたサマーは、自分の結婚式でもトムが奪いに来てくれないかと期待していたのかな。
トムはトムで、サマーの次に好きになったのがオータムというのが洒落てる。
トムから見たらサマーは気まぐれなクソ女だったけれど、サマーから見たらトムは空気を読まず押し付けがましい男だと思っていただろうし、サマーから見たバージョンとかも観てみたい。
トムがサッカー場のベンチで妹に恋愛相談をするシーンは、天気の子を思い出した。