紫のみなと

(500)日のサマーの紫のみなとのレビュー・感想・評価

(500)日のサマー(2009年製作の映画)
3.6
評判がいいらしいし、観てみようかなと思いながら、どうも、気が進まなかった作品です。でも、なかなか良かった。

私が若かったころ、大の仲良しの友人が結婚したとき、友人が、これでもう2度と恋愛しなくて済む、と言った言葉に激しく同意した、失恋以外の疼痛を知らなかったあの頃。しかし、間違いなく身を切り刻み一生の傷を与える失恋。
本作はそんな失恋の痛みを嫌というほど思い出させてくれる。だから中年のおばさんが観てもいい映画だったなと思わせるのでしょう。
もう2度とこれほど好きになれる人には出会えないと絶望している渦中にあっては、この映画のラストが絵空事に見えるかもしれないけれど、人生は長い。

また、キャストも良かったです。主演の男の子も良かったけど、ヒロインのズーイー・デシャネル、デブラ・ウインガーを彷彿とさせる黒髪でクールでチャーミングな魅力満載でした。全然可愛くない瞬間と、目が釘付けになるような瞬間とがある。
はじめて見る女優さんでしたが、他ではあまり活躍されてないのでしょうか。