このレビューはネタバレを含みます
10年ぶりに観たら全然違う感想を抱いてびっくり。トムの視点から観ていたのがサマーの視点からに180度変わった。
だからトムを含めて男たちにイライラ。
サマーを「男かよ」と言って自分が“女みたいに”扱われた途端に逆ギレし始める彼ら。
彼女は最初からハッキリと恋愛を求めていないと言っていたのに、「俺ならその考えを変えられる」と思う傲慢さ。
サマーの言うことに本当に耳を傾けて深掘りするのではなく、彼女の話はフェードアウト、「俺はここまで話させることができた」と自己満足に耽る。
トムがバーの男を殴ったのも、サマーのためなんかじゃなく、自分のプライドのためだった。
サマーは結婚したけど、彼女のキャリアゴールは?誰も聞かないし気にしない。
彼女をトロフィーか女神像のように扱って。トムが彼女をロボットと呼び、彼女が無機質に見えるのはモノ扱いする自分のせいなのに。
ずっとサマーをちゃんと見ていない、聴いていない、話そうとしない。
2人の関係の中でのサマーの孤独よ。
『卒業』でもトムは大事なところを見落としている。
そしてそれがトドメになった。
妄想男が作り出すマニックピクシードリームガールのイメージを打ち破り、現実を見せる良い映画。
音楽も的確!