奈緒子

(500)日のサマーの奈緒子のネタバレレビュー・内容・結末

(500)日のサマー(2009年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

10年ぶりに観たら全然違う感想を抱いてびっくり。トムの視点から観ていたのがサマーの視点からに180度変わった。

だからトムを含めて男たちにイライラ。
サマーを「男かよ」と言って自分が“女みたいに”扱われた途端に逆ギレし始める彼ら。

彼女は最初からハッキリと恋愛を求めていないと言っていたのに、「俺ならその考えを変えられる」と思う傲慢さ。
サマーの言うことに本当に耳を傾けて深掘りするのではなく、彼女の話はフェードアウト、「俺はここまで話させることができた」と自己満足に耽る。
トムがバーの男を殴ったのも、サマーのためなんかじゃなく、自分のプライドのためだった。

サマーは結婚したけど、彼女のキャリアゴールは?誰も聞かないし気にしない。

彼女をトロフィーか女神像のように扱って。トムが彼女をロボットと呼び、彼女が無機質に見えるのはモノ扱いする自分のせいなのに。

ずっとサマーをちゃんと見ていない、聴いていない、話そうとしない。

2人の関係の中でのサマーの孤独よ。

『卒業』でもトムは大事なところを見落としている。
そしてそれがトドメになった。

妄想男が作り出すマニックピクシードリームガールのイメージを打ち破り、現実を見せる良い映画。

音楽も的確!
奈緒子

奈緒子