いのしん

(500)日のサマーのいのしんのネタバレレビュー・内容・結末

(500)日のサマー(2009年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

サマー(ズーイー・デシャネル)の考えは結局何だったのか、観終わっても理解できなかった。恋愛は長続きしない、束縛されたくないし、傷つきたくないから、という理由で恋人関係になることを避けるサマー。トム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)とも友達として付き合うようになる。実際彼女の過去の恋愛遍歴も長続きしていないようだ。そんな彼女が、終盤突然結婚して、他人の妻になってしまう。恋人になること自体をすごく嫌がっていたのに、なぜなのか。サマー自身に何か隠された過去や秘密があって、それが結末で明かされるのかと期待したが、結局謎のまま。
そんなサマーに振り回されるトム。幸せならどういう関係でも良いじゃない、と一度はサマーにあしらわれるも、この関係をはっきりさせたいという気持ちは変わらない。ずっとモヤモヤしていたんだろうな。トムの気持ちは観ていてすごく分かった。
他人の考察を読むと面白い。なるほどな、と思わされる。運命や映画のような恋愛を理想とするトムと、そうではないサマーが、お互いの考えに影響され、最後には考え方が逆転してしまう。招待されたパーティーでサマーが手にはめている指輪を見て婚約者がいると悟ったトムはその場から逃げ出してしまう。これからは現実を見て生きよう。一方サマーは今の旦那とは運命的に出会ったのだとトムに対して発言。トムが現れると予想したのであろうか、思い出のベンチに何故か腰掛けている。今の現実に満足しておらず、理想の未来に連れていって欲しいと期待を込めてトムに会いに来たのだとすれば、当初のサマーの考えはどこへやら。まさにすれ違い続ける男女の物語。