takanoひねもすのたり

レイクサイド マーダーケースのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

3.0
原作未読。

名門私立中学受験のため、保護者同伴の勉強合宿に参加した俊介(役所広司)そこに唐突に現れた不倫相手の英里子。ホテルに会いに行くも連絡がつかず別荘へ戻った俊介の目の前に死体となっていた。子供達の受験に影響が出ることを恐れた他の親達が警察に通報することを拒み、死体隠蔽工作に巻き込まれてゆく流れ。

原作だと、もっと明確になってるのかな?
青山真治監督だからか"犯人""動機"をはっきりさせる話ではなくて概念の話になってた(私には)

動機はぼんやりしているため、殺人事件の結果と、それに翻弄される周囲、そこから親とか受験とか競争社会とか、そういったパーツを読み取るようになってる……ような?

鉄板な場が整った(湖畔、森、湖、別荘、医者)ミステリーの形でははあるものの、そこで「真実はいつもひとつ(©名探偵コナン)」的な推理物のセオリーを外してしまうので、すっきり感は今ひとつ。

俊介が光過敏症である≒直視出来ないという隠喩になってるのかなあと思ったり。
真正面から真実を受け取れない(殺人犯が誰であるのか最終的に追求出来ず、またそれを受け入れられない)
この映画の中では、血の繋がりの有無が親子関係で重要なファクターで頻繁に会話に登る。

でもさあ「娘は私の子供なの!私ひとりの子供なの!」って怒りつつ『いい父親になるかも知れない』って思考回路が謎……ちょっと分からない……。

俊介と妻の美奈子の会話が、うわぁあるある、いるいるという想像ができちゃうなあピリピリした内容で、俊介よ……自ら招いた事態とはいえ針の筵だな。

あと豊川悦司が若い!