たむランボー怒りの脱出

穴のたむランボー怒りの脱出のレビュー・感想・評価

(1957年製作の映画)
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初期の市川崑の若々しくて冴え冴えの演出が随所にみられる犯罪コメディ。

およそ当時(50年代)の日本映画では見られないような早いテンポで物語が進んでいく。

台詞の多さゆえに役者は早口で喋ることを余儀なくされ、またそれに応じて動きもいっそう世話しなくなる。

『羅生門』や『雨月物語』でのミステリアスな名演が印象的な京マチ子が、まくし立てるような早口な上にちょこまか動いていて面白かった。

米国のスクリューボール・コメディのようなドタバタ犯罪劇が楽しめる作品。
市川崑はやはり超モダンな作家である。