りょう

ミシェル・ヴァイヨンのりょうのレビュー・感想・評価

ミシェル・ヴァイヨン(2003年製作の映画)
3.6
 この作品が日本で劇場公開された当時は、フランスの人気コミックの実写映画化ということで話題になりました。いまとなってはあまり評判がよくありませんが、あらためて観てみても、ちょっと過少評価されている印象です。
 カーレースの世界を描いたコミックが原作なので、現実離れしていて当然です(目隠ししてサーキットを1周するとか…)。日本の「マッハGoGoGo」のようなイメージで観れば、まったく違和感がありません。むしろ、かなりスタイリッシュな映像で大人向けの作品です。
 この映像のセンスは、監督の演出というよりもカメラマンの志向が反映されているのかもしれません。カーレースのシーンは、カット割りが多用されていますが、CGに依存していないので迫力があります。スポーツカーのエンジン音も魅力なので、音響の環境が許すなら、ボリュームをあげて観たい作品です。
 そして何より、日本デビューとなったダイアン・クルーガーが若くて美しいです。独・英・仏のトライリンガルの彼女は、ドイツ人なのにキャリアの序盤からフランス語のセリフです。レーサーだった夫の未亡人という役柄ですが、なぜか抜群のドライビングテクニックがあって、夫が夢みていたル・マンに出場してしまいます。
 よくも悪くもテンポがよく、104分の尺では物足りない印象です。もっと評判がよければシリーズ化されたかもしれないし、いい要素があっただけに、つくづくもったいない作品でした。
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