土平木艮

任侠ヘルパーの土平木艮のネタバレレビュー・内容・結末

任侠ヘルパー(2012年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじ…コンビニでバイトする元ヤクザの主人公・彦一。同僚の成次にも侮られている→コンビニ強盗発生。取り押さえてみると老人だったので、店の金を持たせて逃してやる。それが原因で逮捕、刑務所行き→刑務所内で、逃してやったコンビニ強盗・元ヤクザの蔦井と再会。親しくなる→蔦井の病死と同時期に、彦一出所。強盗の件以来、彦一に心酔していた成次が『子分にしてくれ』と出迎えに→蔦井の娘・葉子も『父が世話になった』と礼を言いに来ていた。でも、母と自分を捨てた父を憎んでおり、ヤクザが大嫌いな様子→蔦井のツテを頼って『極鵬会』を訪ね港町・大海市へ→かつてリゾートで賑わった大海市、今は寂れている。市議で弁護士の八代、『観光福祉都市プロジェクト』と『暴力団排除』を掲げ活動中。極鵬会に目をつけられている→八代と葉子はかつて恋仲だった模様→成次と旅館に泊まり、コンパニオンを呼び宴会。コンパニオンの一人・茜の携帯が鳴る。相手はヤクザ者→一芝居打ち、やってきた極鵬会のヤクザ者を返り討ち。蔦井の名を出し、事務所に客人として招かれる。極鵬会で働くコトに→老人相手の闇金と、行く宛のなくなった老人相手の施設『うみねこの家』の経営で『500万円を一月で倍にしろ』の指令→うみねこの家は『姥捨山』状態。管理人で介護福祉士・芦川が唯一の職員→葉子、認知症の母・露子と娘・息子と4人暮らし。『生活苦で仕事を増やしたい+悪徳ヘルパーに任せてられない』為、母を施設に入れたい模様。八代が口をきいてくれるコトに。入所費用は彦一の闇金から借りて工面→成次と飲みに出たキャバクラで茜と再会。いい感じになり茜の家に行くが、弟妹計4人が居るため退散→施設が"合わない"ため症状が悪化する露子→八代の父の法事に極鵬会が乗り込んでくる。市議だった八代の亡父と極鵬会は繋がりがあった模様。彦一と八代、初対面→病院に移される露子。孫2人は祖母の様子にショック。露子を施設に入れて面会にも行かない(行けない)葉子に抗議して家出を図るが、彦一に助けられる→ホステスとして働く葉子。店に八代が訪れる。帰り際、葉子にキスをする八代。その様子を写真に撮る彦一→直後、彦一が店を訪れ、露子のコトで言い合いに→症状が悪化した露子の様子を見て、家に連れ帰ろうとする葉子。切羽詰まった一家の様子を見兼ねた彦一、露子をうみねこの家で引き取る→入所者が増え、人手が足りないうみねこの家。人件費を渋る彦一、『老人たち自身を働かせる』コトに→大掃除&大改装。老人たちも生き生きしてくる。近隣の老人も受け入れる→露子、彦一の刺青を見て夫を思い出し、症状が改善してくる。葉子も彦一の刺青に父を思い出す。うみねこの家の様子を覗いていた八代、二人にヤキモチ→観光福祉都市プロジェクトから降りる、という業者が続出。極鵬会が絡んでいる模様。対決姿勢を強める八代、うみねこの家を調査し、取り潰すつもり→彦一を訪ねる八代。行政の在り方に疑問を唱える彦一、八代と対立→やりすぎた彦一、うみねこの家から外されそうになるが、何とか残る為に『八代と葉子の写真』を極鵬会に提供→八代、極鵬会の企みで交通事故に遭い、葉子との関係もバラされる→かつての仲間・"四方木りこ"から彦一に電話。極鵬会と彦一の間のトラブルを察知した模様→成次からも電話。うみねこの家が火事。建物内に取り残された茜の弟を命懸けで助ける成次→火事は極鵬会の仕業らしい。病院に運ばれる老人や職員たち→彦一と対面する入院中の八代。うみねこの家に『理想の介護』を見ていたらしい→市長を脅し、入札結果の発表会に参加する極鵬会→うみねこの家の焼け跡で、一人の入所者を見かける彦一→老人たちの居場所を守るために、発表会に殴り込み。極鵬会を名乗り、発表会をメチャクチャにして大暴れ。ネットで様子が配信され、警察も動き出す→逃げる彦一と成次、そこに"りこ"が現れ、救出される→船での逃亡を提案する"りこ"。しかし、成次の為に申し出を拒否し、街に残る→うみねこの家に戻る2人。老人や茜たちも戻って来ていた。施設の様子を見届けた彦一、極鵬会との対決へ→半殺しにされる彦一。そこに葉子と八代が登場。議員を辞めた八代、極鵬会に宣戦布告。立ち去る極鵬会→街を去る彦一。駅で見送る八代。警察が現れ、線路を走って逃げる彦一。終幕。







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『ヤクザと家族』『すばらしき世界』と、最近ヤクザ付いている。

本作でも『ヤクザの生きづらい世界』であることに触れられているが、そこはそんなに強調されてはいない。
敢えてそこに触れるなら、『ヤクザも老人も、蔑ろにされて生きづらい者同士』ってコトが言えるのかもしれないけど。



もともとはTVドラマだったようだけど、そっちは未見。
でも、ドラマを観てなくても全く問題なく楽しめる内容。


草彅剛の演技が、思ってたより良かった。



八代が病院のベッドで語る…『誰かを救うなんて、誰にもできないのかもしれないな』『高齢者が求めてるのは立派な施設でも便利な介護用品でもない、人の感触っていうか、自分を認めてくれる人と一緒にいるっていう実感なんじゃないか』…と言うセリフが、この作品で最も重要なメッセージな気がする。


人と人との触れ合いって大切だな…と言うコトを再確認した作品。




介護施設で高齢者たちが生き生きしてくる様子の表現は、かなりベタな感じだった。

当初の『うみねこの家』の様子がヒドすぎたけど、介護業界からクレーム等は来なかったのか?



あと、予備知識ゼロの状態で観たので、『香川照之が出てきた!悪いヤツに違いない!』と思って観てたけど、最後まで悪いヤツじゃなかった。
土平木艮

土平木艮