FREDDY

任侠ヘルパーのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

任侠ヘルパー(2012年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

古家和尚が脚本を手掛けたTVドラマ『任侠ヘルパー』の劇場版作品である本作は、指定暴力団「隼会」を抜けて堅気となり、コンビニ店員として細々と暮らしていたとある日に、コンビニに強盗に入ってきた元極道の老人・蔦井雄三を見逃したことをきっかけに刑務所送りとなってしまった翼彦一が、出所後に獄中で再会した蔦井のツテを頼り、大海市に看板を構える「極鵬会」の組長・朝比奈道俊を訪ねて再び極道の世界に足を踏み入れ、老人相手の闇金と闇金で破産した老人たちの年金や生活保護を狙った老人介護施設「うみねこの家」の所長となり劣悪な環境の中で淡々と仕事をこなしていた中、貧困ビジネスの現状に苛立ち、2児のシングルマザーで認知症の母の介護に頭を悩ませていた蔦井雄三の娘・葉子ら家族との交流によって施設の立て直しを決意し、舎弟の山際成次やキャバ嬢の仙道茜らとともに改善に励むも、葉子に想いを寄せる、福祉施設の誘致と暴力団の排除を掲げ「観光福祉都市プロジェクト」を提唱する市議会議員・八代照生や、老人を金づるとしか思っていない極鵬会が立ちはだかったことで、新たな土地で直面した老人介護問題に一石を投じようと福祉事業の利権を狙う悪たちに立ち向かっていく様が描かれたものとなっているのだが、TVドラマは未視聴なので予備知識なしでの視聴だったがそれでも本作はとても面白かったですし、TVドラマも観てみたいと素直に思わされましたね。草彅剛をはじめとしたキャスト陣の共演や各々が見せる演技、演じたキャラクターもユニークですし、ヤクザが老人介護の問題に一石を投じるというそもそもの設定も良く、翼彦一らが老人たちに強く当たりながらも施設の改善に励むシーンにはほっこりとさせられましたし、劣悪だった環境が改善された施設を我が家同然に思う老人たちの姿には心を揺さぶられる。宇崎竜童や杉本哲太の渋さもまた魅力的でしたし、本作は気軽に楽しめる作品であることに間違いはないかと。
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