さりさり

任侠ヘルパーのさりさりのレビュー・感想・評価

任侠ヘルパー(2012年製作の映画)
4.0
ドラマは未鑑賞。
いきなり映画を観た。
月うさぎさんのレビューを読んで興味を持ち、更に鑑賞意欲が湧くコメントをたくさん頂いたからだ。

最初は半信半疑で観た。
正直、任侠モノは苦手だったし、草彅くんも苦手だったし。
『ミッドナイトスワン』の草彅くんを観た時は、冒頭の10分でリタイアしたし。苦笑

ところが本作、彼の最初の一声とあの表情、たちまち心を奪われた。
もう迷うことなく、最後まで一気に観てしまった。
極道者の役柄がこんなにしっくり来るなんて…もう驚きしかない。

“ヤクザ” と “任侠” って、意味が全然違うって知らなかった。
ヤクザとは「役に立たない人」のこと。
任侠とは「弱きを助け、強きを挫き、義のためには命も惜しまない」こと。
この映画の草彅剛は、まさに「任侠」だった。
最初はかなり悪どいことしちゃうんだけど、次第に任侠心が湧いて来る。
行き場のない老人たちのためにひと肌脱ぐ姿は、本当に胸が熱くなった。

介護問題や貧困問題、とても重いテーマで、観ているのが辛かった。
弱い人が更に弱くなっていく、世の中のそんなしくみが憎かった。

出演者はみんな良かったけど、安田成美さんは私的にはちょっと不満。
綺麗すぎるというか、どう見ても上品なお嬢様っぽくて、苦労してきたシングルマザーには見えなかった。
もっと泥臭くて、儚い美しさを放ってる女優さんが良かったな。
それが誰かは思いつかないけど。

エンドロールで夏帆さんが出てたのがわかったんだけど「え? いた?」って思った。
よくよく考えて、最初からずっと出てたキャバ嬢の役だったってやっと気づいた。
別人だわ。
メイクすごっ。
演技もすごっ。
全く気づかなかった。笑
そうだ、月うさぎさんにこのことも聞いてたんだった。
すっかり忘れてた。
ヤバい、私もボケちゃったかも。笑
さりさり

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