ねこ無双

殺しを呼ぶ卵のねこ無双のレビュー・感想・評価

殺しを呼ぶ卵(1968年製作の映画)
3.8
愛人と一緒になりたくて妻が邪魔な男。
でも財産家の妻と別れると無一文になってしまうため、なかなか離婚へ踏ん切ることが出来ない。
そこで妻を亡き者にしたいと考えるようになる…。

主演はジャン=ルイ・トランティニャン。
イタリアのモテ男のイメージですが、この映画では妻と愛人に振り回されるダメ男。
しかもこの男、女性を殺しては興奮を得る性癖を持つド変態というところが一味違う(←冒頭からこれ)

主人公の愛人役はエヴァ・オーリン。
金髪に大きな瞳のアイドルみたいな容貌に、60年代ファッションとめちゃくちゃかわいい女優さんです。
対する奥様役のロロ・ブリジータは姉さんの魅力溢れるカッコいい女。スタイル抜群なランジェリー姿も披露しています。

監督は長編第1作目が『情無用のジャンゴ』のジュリオ・クエスティ。
『情無用のジャンゴ』は当時イタリアでその残酷描写から裁判ざたになったとされる作品。

前衛的な不安を掻き立てるような音楽に、
サブリミナルのように刺激的な映像。
ストーリーのオチも効いてて、ブラックな後味あります。

そのシュールな作風から、ゴダールがジャッロを撮ったらこんな作品になるとか、マリファナ吸って撮った作品だとか(酷い言われようだ)…イタリアでは揶揄されたとのこと(ライナーノーツより)

冒頭にちらっと出てきたビニール袋頭にかぶった意味不明なおじさんとか、新種開発で生み出された首のない鳥をブロイラーとして売り出そうとするとか…変な描写があったりして。
本筋と関係のない何あれ?なシーンがドラマに奇妙な味を添えてくれてます。