花とみつばち

五番町夕霧楼の花とみつばちのレビュー・感想・評価

五番町夕霧楼(1963年製作の映画)
4.0
水上勉原作。
この作品を観ていると彷彿とする、三島由紀夫「 炎上・金閣寺 」。この「 炎上 ・金閣寺 」のアンサーとして書かれた小説な為大半が似ている。
京都が舞台、貧しく娼妓として生きる夕子。夕子には幼い頃からずっと想い続ける櫟田正順という修行僧の存在がある。
娼妓となっても純愛を貫くふたり。

佐久間良子が清純な少女から、凜とした意思の強い女性を美しく演じています。

乞音で世の中に負けてしまう修行僧、櫟田正順は河原崎長一郎。「 炎上 」の溝口吾一役とほぼ同じで、夕子とのロマンスが加わるところに違いがあり、それがこの作品の見所。

綺麗な京都の置屋の雰囲気と、女将役の木暮実千代の風格は素晴らしく、百日紅が美しく咲き誇る映像だった。
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