ギズモX

クラッシャージョウのギズモXのレビュー・感想・評価

クラッシャージョウ(1983年製作の映画)
4.0
『機動戦士ガンダムTHEORIGN』の安彦良和氏が初監督したアニメ映画。

《宇宙を股に掛け、惑星間のゴタゴタを解決する荒くれ者集団"クラッシャー"のジョウ達に、ある飛び込みの依頼が入るが、依頼の最中で正体不明のワープ事故が発生。
宇宙軍からあらぬ疑いをかけられてしまったジョウ達は、事故の原因が大物宇宙海賊団の仕業だと知り、組織を追っていく内に、宇宙の運命を左右する大事件に巻き込まれていくのだった》

初代ガンダムに『ルパン三世Part2』や初期の劇場版『ドラえもん』『GotG』を足したような作風。
安彦作品の中でも特に娯楽色が強いスペースオペラ作品だ。

コミカルタッチで高品質な作画、分かり易いストーリー、個性的なキャラクター、そのどれもが面白く、一定のクオリティを保ちながら少人数で制作されたためにいい意味で演出過剰でなく、30分TVアニメを見ている感じで気軽にドタバタを楽しめる。
アクションシーンも戦闘機同士のドッグファイトやジャングルでの銃撃戦、巨大アジトの潜入に宇宙要塞攻略戦と大盤振る舞いで容赦がない。
そしてヒロインがとにかく可愛い。
これ見ると『GotG』にはディスコが足りないことがよく分かる。

また、
「かつては自分たちと同じクラッシャーというアウトローだった父親が、政府御用達になってものすごく体制化しているわけで。それを息子が面白いと思っているわけがない」
といった安彦氏独特の解釈によって、娯楽快作でありながらも歪な親子関係と葛藤が描かれており、他の安彦作品と同様にニュータイプ的な力に頼らないパワフルなヒューマニズムも感じ取れる。

最新作の『ククルスドアンの島』凄く楽しみだ。

【余談】
ディスコのところでアムロとシャアがいるぞ!
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