とうがらし

ふたりのベロニカのとうがらしのネタバレレビュー・内容・結末

ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

1991年カンヌ国際映画祭 女優賞、国際映画批評家連盟賞など三冠

二つの国で、同じ名前も、容姿も、才能も持つ二人。

一人は、ポーランド。
ベロニカは、指を怪我してピアニストとして舞台にあがる夢を諦め、アマチュア合唱団で歌う。
彼女の稀有な歌声が、有力者に見出され、念願のプロ舞台に立つ。
しかし、彼女の繊細な心臓が、彼女の高音に耐えきれず、彼女は舞台上で倒れた。

一方、フランス。
時を同じくして、もう一人のベロニカは、訳も分からず涙が出る。
彼女も未来のピアニストを嘱望されていたが、自らプロの道を断ち、小学校で音楽教師になる。
そんな彼女がある日、人形使いに恋をする。

数奇な運命をたどる二人のベロニカ。
一人が死に、一人は生きた。
二人の命運を分けたのは…という話。


感性で観て、直感的に捉える、右脳派向け映画。
まるで白昼夢を観ているような世界。
複雑で緻密に編み込まれた超高度な脚本。
言語化できない感情の渦。
映画以外の他の芸術では表現できないモノを表現している。
これぞ映画。
不思議なことに、トリコロール三部作の最終章「トリコロール/赤の愛」(監督の遺作)にもシンクロする。
クシシュトフ・キエシロフスキ監督、お見事!


予告編
https://www.youtube.com/watch?v=ZwP7RrDE7N8
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