SNOW

ふたりのベロニカのSNOWのレビュー・感想・評価

ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)
3.0
再見。

一見するとファンタジーでありスピリチュアルな内容だけど、やはりポーランド史が亡霊のように付き纏う映画でもあるのかなとも思う。これもまたキェシロフスキの「記憶」の映画なのだろう。

無論ふたりのベロニカというのは、かつての引き裂かれたポーランドであり、ズラウスキーも処女作の「夜の第三部分」や「ポゼッション」で二人の似た女というモチーフを使っているしなぁ。

冷戦末期のクラクフのあの広場でふたりが接近する象徴的な場面のカットは素晴らしいし、この序盤ともいうシーンの直後にあっさりポーランドのベロニカが死んでしまうのは終わりではなく始まりを意味しているからなのであろう。
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