シアトルで大統領候補の上院議員が射殺され、その後、関係者たちが次々と事故死する。記者ジョー（ウォーレン・ベイティ）が事件を追うと、反社会的人間を集めるパララックス社に辿り着く。ジョーは編集長ビル（ヒューム・クローニン）の反対を押し切り、パララックス社に潜入する。

「大統領の陰謀」「ソフィーの選択」「ペリカン文書」の名匠アラン・J・パクラ監督によるサスペンス。

ダークすぎて参った。
カーチェイスとか手荷物爆弾とかあるものの、娯楽性がなく、ずーっと闇の世界を彷徨う感じ。
どこが見どころなのかが絞り込めず、もしかして見どころは “ウォーレン・ベイティ” だったのかな。

暗殺者たちの手口はけっこう杜撰なんだけど、揉み消す黒幕の力が凄い。闇の組織、恐るべし。
名脇役ヒューム・クローニンが止めとけって言ってるんだから、聞かないと。笑

ダム

次期大統領候補が暗殺され、単独犯とされた犯人が墜落死した
それから3年後、女友達の死をきっかけに新聞記者のジョーが調査をすると、とある暗殺者養成所の存在が浮かび上がる

社会派として名高いアラン・J・パクラ監督の政治サスペンス

スゴい世界

恐ろしいですね
ラストもなかなか

全体的に見応えありました

衝撃的なシーン多数
やられました

雰囲気、撮影方法が変わってる印象です

次期大統領候補暗殺事件の謎を追うジャーナリストの姿を描いたポリティカル•サスペンス。

「ペンタゴン•ペーパーズ事件」(71年)に「ウォーターゲート事件」(72年)と、70年代前半では立て続けにアメリカ政府の不正が発覚。次々と露呈される衝撃的な事実に対し、国民の政府に対する不信感がピークに達した74年に公開されたのが本作だ。

では、この映画は「政府の闇を暴く時代の求めたヒーローの姿を描いた作品」かと問われると、そうではない。むしろ、その真逆といってもいいだろう——。

物語は全体的に淡々としたトーンで展開されていくが、その冷たいタッチがかえって不気味さを醸し出している。登場人物の生い立ちやイデオロギーといった描写はバッサリとカットされ、それぞれの'死'の瞬間すらアッサリとしか描かず、全てのドラマはまるで作業のように片付けられてていく。

一個人が国家の闇に迫ったところで、何１つ暴くことなどできはしない•••不安と不満が渦巻く時代のど真ん中で、そんな情け容赦ないメッセージをアラン•J•パラク監督は叩きつけたのだ。

印象的なシーンとして、遊園地の蒸気機関車で主人公のジョー(ウォーレン•ベイティ)が密談を交わす場面がある。何気ないシーンではあるが、誰もが係員の'指示'に従い乗車する様が妙に不気味で、主人公の姿が国の統制に従わざるを得ない'国民そのもの'のように見えてきてしまう•••。

国家の暗黒面の強大さや、いくら抵抗しようとも真実を闇に屠られる無力感を、アラン•J•パラク監督は何よりも理解しているのだ。だからこそ、本作にこれでもかと溢れる無常観に、鑑賞者まで押しつぶされそうになってしまう。なんとも苦々しい作品だ——。

パラク監督が『大統領の陰謀』(76年)で巨大権力に一矢報うのは、もう少し先の話である。