BON

ストロンボリ/神の土地のBONのレビュー・感想・評価

ストロンボリ/神の土地(1949年製作の映画)
-
ロッセリーニ作品を鑑賞することで、ネオレアリズモの派生やヌーヴェルバーグ、加えてイングリッド・バーグマンの軌跡を辿れると思っているので最近鑑賞頻度が高い。

伊米合作で、ストロンボリ島にオールロケされたこちらの作品は、その年のイタリア最優秀作品となっている映画。しかし、アメリカでは猛烈に批判され、興行成績は大コケ、配給会社は20万ドルの損失を出した。

ロッセリーニの「無防備都市」に感激したバーグマンは自分を売り込む手紙を書く。夫と子どもを捨ててロッセリーニの元へ行く。ストロンボリで撮影している最中も、バーグマンの駆け落ちスキャンダルは世界中で批判されていたせいもあるのかなと思う。

ストーリーは、第二次世界大戦後のローマで、アルゼンチンに行く予定の難民のカーリンが旅券を発行できず、自分に求愛していた捕虜の男と結婚し、彼の故郷ストロンボリに帰るという話。

貧しく過酷で娯楽もないこの島ではカーリンは浮き、島の女達はカーリンを邪険に扱う。我慢できず島から脱出しようにもうまくいかない。

女を捨てきれない彼女が母の顔になる瞬間が良かった。映画の中で子どもたちと遊ぶ彼女に母性を感じた。
イタチがウサギを噛み殺すシーンは壱番観てて辛かった。ロッセリーニが執拗に撮りたかったらしい。
BON

BON