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最後の賭け
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『最後の賭け』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.7
 美しいコート・ダジュールを臨むニースの高級ホテル、隣接するカジノ場。ロシアンルーレットの席にはベティ(イザベル・ユペール)が座り、チップを賭けて戦況を見つめている。ルーレットを回る白い球の印象的なアヴァン・タイトル。女のお金は次々に吸い込まれ、一気に負けが込んでいく。左隣に座った男ロベール・シャティヨン(ジャッキー・ベロワイエ)は少し勝っているようで、意気揚々と景気良さ気にポケットに金を入れる。ブロンド・ヘアなはずのイザベル・ユペールの一際印象的な黒髪姿に絶句する。赤いドレスに真っ赤な口紅、ドレスから覗く白い肌に黒髪。国籍不明な女はエリザベートと名乗り、シャティヨンの手の甲に自らの手をそっと重ねながら誘惑する。その様子を内心気が気ではない様子で見つめる背広姿の男ヴィクトール(ミシェル・セロー)の視線。賭け事も終盤に差し掛かり、ベティは31~36の6点張りに最後の望みを賭けるが、無情にもルーレットは外れてしまう。シャティヨンから席を外して呑まないかという誘い。ベティはホテルのBARでならいいわと彼の誘いに乗り、BOX席の片側に2人並んで座る。いきなり現れた黒髪の美女の姿にシャティヨンは満更でもない素振りを見せる。セールスの仕事のためにクレルモン=フェランの自宅から遠く離れたニースまで泊りがけで訪れた男は、子供はおろか妻もいない独身貴族である。たまの休みに羽目外そうと欲を掻く男はあっさりとベティの口車に乗り、タバコを買いに行かされる。奥の席から少し離れたカウンターには、先ほどのヴィクトールが鎮座し、奥のBOX席の様子を伺う。

キャンピングカーでタバコを吸い、少し休息を取ったヴィクトールは内心、ベティの様子が心配でブランデーの薄い水割りをオーダーし、彼女の様子を伺う。ジタンのタバコを買いに行った瞬間、ベティはシャティヨンの酒に睡眠薬を盛る。そんなことを知る由もないシャティヨンはまんまと酒を一気飲みし、意気揚々と505号室へベティを招き入れる。ヴィクトールとベティは少し年の離れた詐欺師の名コンビである。冷静沈着で経験豊富なヴィクトールの頭脳、男が見たら一瞬で惚れるようなベティの美貌、この2つを武器にもう何年も詐欺行為にどっぷりと浸かっているが、ヴィクトールがベティを見る目は相棒を見る目ではない。ベティに誘惑され、鼻の下を伸ばした被害者に内心複雑な感情を抱きながら、年上のヴィクトールはベティのファム・ファタールな姿を見る度に悶える。シャブロルはこのコンビの間柄が実際の夫婦なのか、それとも父娘なのか、ただの相棒なのかを最後まで明らかにしない。自分よりも年下な若いファム・ファタールの妻に翻弄される夫の様子と言えば、真っ先に『不貞の女』や『愛の悪魔』を連想する。凸凹コンビは行く先々で荒稼ぎするが、このコンビは必要以上に欲を掻かない。盗人にも仁義ありとヴィクトールは被害者に無事家に帰れるだけの金額だけは残しておく。ベティはそんな紳士的なヴィクトールの姿が内心気に入らない。自業自得な罠に落ちた男に情けをかける必要があるのかと問い、優し過ぎるヴィクトールの姿に一過言持っている。そんなベティの欲深さが凸凹コンビの運命に暗い影を落とす。

まるで『不貞の女』のような勃起不全な男は、女盛りの相棒を前にして操っているようでいて、逆に簡単に女の手の平の上で操られている。近年ではオリヴィエ・アサヤスの『アクトレス~女たちの舞台~』でも舞台となったスイスのシルス・マリアの美しい冬景色の街並みの中、初老の男はベティの先導により、モーリス・ビアジーニ(フランソワ・クリュゼ)とのロマンスをそばで見つめるより他ない。だがこのモーリスという男がとんでもない曰く付きの男なのである。彼が大企業の経理部長で、500万フランの大金をベティと持ち逃げする気でいるらしいことから、ヴィクトールとベティは500万フランをかすめ取る作戦に出る。 グアドループまでの運び屋として飛行機内で大金の入ったアタッシュケースをすり替えた「ふり」をすることで、まんまと大金を手に入れたヴィクトールとベティだったが、二転三転するサスペンスの先にはチンケな詐欺師を超えた恐るべき巨悪が待ち構えている。『主婦マリーがしたこと』ですっかり中の冷え切った夫婦を演じたイザベル・ユペールとフランソワ・クリュゼは、ここでは互いに一杯食わさんと野心を燃やす犯罪者を演じる。ヒッチコックやラングのような軽やかなサスペンス・タッチの犯罪映画だが、実にシャブロルらしい細やかな演出が光る。ヌーヴェルヴァーグ時代のモーツァルト、『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇』のドン・ジョヴァンニのように、プラシド・ドミンゴの優雅な『トスカ』が流れる部屋では、美しいオペラの調べとは対照的な残酷な光景が繰り広げられる。アメリカ映画ならば間抜け面なマフィア組織をいとも簡単に脱出出来るはずだが、シャブロルは今作を簡単な勧善懲悪にはしない。最後の賭けに失敗し、犯罪の苦さを味わいながらも彼らの運命を優しく導くクライマックスは、これまで数々の陰惨さを見せつけてきたシャブロル作品において例外的な美しさを誇る。
ベテイ(イザベル・ユペール)とビクトール(ミシェル・セロー)は小さな仕事でコツコツ稼ぐ詐欺師をしている。ベテイはお金持ちの男性を誘惑して獲物を捕らえ、薬入りの飲み物で眠らせる。そこにビクトールが合流、所持品を物色する。
でも、有り金全部をせしめることはしない。財布から少し抜いて戻しておく...被害者は盗まれたことも気付かないから、捕まる心配もない。泥棒にも美学があるのだ。
そんな二人がひょんなことから大きなヤマに手を出してしまいマフィアに命を狙われることに...

黒髪のユペール姉さんは新鮮でした(笑)
男女バデイで、歳の離れているコンビでしたが、師匠と弟子といった感じ、良かったです。ミシェル・セローは、せこくて小物感がする詐欺師のおじいちゃんなんですけど、終盤の立ち回り方はさすがに年の功といった感じで面白かったです。

クロード・シャブロル監督作品は何本か観て、シリアスなものが多いように感じていましたが、こちらはコメディっぽくて、やや軽めの作品でしたね。あまり考えずに楽しめました。
ユペール姉さんのコメディもいいですね。
あと、『主婦マリーがしたこと』で共演したフランソワ・クリュゼが今作でも重要な役で出てました(笑)

シャブロル監督作品好きなので、まだまだ観ていきたいと思います。
イザベルユペールの露骨すぎない七変化が楽しい

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