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奇跡の海のaiのレビュー・感想・評価

奇跡の海(1996年製作の映画)
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2023年、233本目。

事故で全身麻痺に陥った夫の望みに応えるべく自分を消耗させる妻のベス。
純朴で思い込みが激しい子供のようなベスは痛々しくて正視していられなかった。
愛の為に全てを差し出す病んだ彼女の顛末も理解に苦しむ。
何かを得るためには何か失わないといけないという事が言いたいのだろうか?

正直に言うと、ベスもヤン(夫)も全く好きになれないし共感も感情移入もできない。
私はこんな過酷な状況下に置かれた事がないから理解できないだけかもしれないけど、ヤンの要求は理不尽で意味不明だし、従うベスのメンタルも異常としか思えない。
実際ベスは病気なんだろうけど。

ベスは神を信じ過ぎていて怖いし、結局神なんて都合良く救ってくれないという宗教批判にも思えた。
この時代の男尊女卑の背景もキツい。

美しい結末にしようとしたのかもしれないけど、こうなったのは全てヤンのせいじゃないかと思って怒りが湧くラスト。
こんなの奇跡なんかじゃない。
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