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奇跡の海のaiiiiiのレビュー・感想・評価

奇跡の海(1996年製作の映画)
3.8
愛を形にしてしまうと、難解になってしまうものでしょうか。

人々から見た彼女のいる妄想の世界は、本当はだれよりも深い信仰の世界だった。その彼女が最後に受けた結末はとても残酷なようで、実は本質を語ることも見ることも発することも許されない世界から受ける罰なんて私にはむしろ賞賛に思えた。

愛に忠実に生きるべス。この手の人種が生きにくい世の中。昔からどこの国でも変わらないのかもしれないな。

人間に与えられた生と性。
彼女から見えた映像の中での性と生より、彼女を取り巻く人々から見える表面上見えることのなかった性と生の方が私にはすごく生々しく感じた。どちらが本物の不条理なのだろう。

正常に見える人たちの異常さと、異常に見える人の純粋さ。その二つが混ざり合った世界で、これでもかと叩きつける。胸が痛くならないわけがない。それでもその残酷な行いの中から、監督の優しいまなざしを感じて涙したのでした。
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