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奇跡の海のkyokoのレビュー・感想・評価

奇跡の海(1996年製作の映画)
3.0
私はこの映画が好きだけど嫌い。こんな話は嫌。
ベスの周りの人たちが嫌い。ベスが嫌い。ヤンが嫌い。みんな嫌。

ベスの周りの人たち…偏見に満ちた人たち。ベスの信仰心は誰よりも強いものなのにベスを愚かな娘としか捉えていない。確かに彼女は無垢で純粋である意味愚かだ。
だけど実際はこの人たちが彼女をジリジリと弾圧しているのだ。

ベスが嫌い。歯がゆいほど無垢な女。「神様、ヤンを下さって有難うございます」のシーンには私も胸打たれたけれど、彼女の意志はどこにあるのだろう。愛を信じていたら、本当に魂で結ばれていたならばそんな結末にはならなかったはず。

そして憎むべきはヤン。優しい男?このエゴイストの妄想男が!

(はー、勝手に怒った~…)…散々嫌いといいながらもこの映画で好きだったのは色々な試み。章ごとにテーマが分けられ、章と章を繋ぐCGで作られた幻想的な風景、それに被る70年代(この物語は70年代のスコットランドが舞台)のブリティッシュロックの名曲の数々。
そしてエミリー・ワトソンの迫真の演技。不安気に揺れる瞳。ベスと完全に一体になっていた。あとベスの姉にも立ち上がって拍手をおくりたいシーンがあった。
最後どこからか空の方で奇跡の鐘とやらが鳴り響く場面はワタシ的には???ってなものでした。
好きにしても嫌いにしても色々考えさせられた映画でした!)
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