茜

怪猫トルコ風呂の茜のレビュー・感想・評価

怪猫トルコ風呂(1975年製作の映画)
3.5
東映70周年で待望のDVD化。
先月の発売日にはちゃっかり手に入れてたんだけど今更のレビュー。

とにかくゴミクズみたいな奴が多すぎるし、人間関係が複雑且つドロドロ(相関関係をレビューで書くと長くなりそうなので割愛)
完結にあらすじを述べると、周囲の人間にボロカスに裏切られた風俗嬢・雪乃とその飼い猫ちゃんが化けて復讐するっていう話。

雪乃さんの恋人は優しい顔してドスケベ&ドクズ男やし、雪乃さんが働く店の従業員もヒステリー女ばっかやし、マジでロクな奴が出てこねえ…。
恋人に身売りさせられ、金を巻き上げられ、大切な妹を犯され、挙句は妊娠中にも関わらず恋人と店の女共に痛々しい拷問を受ける可哀想な雪乃さん…。
そりゃ恨まれるし、呪われるし、化け猫にだってなるでしょうよって話なんだけど、あまりにも雪乃さんもバカ真面目なんだよなぁ。
男に献身的過ぎるし、大事な妹と男を二人っきりの同じ屋根の下で生活させちゃダメよ…しっかりして(泣)
でもそういう献身的で真面目な人が一転して恨みを抱くと、こんなにも恐ろしい反動となって返ってきますよっていう教訓のような気がしなくもない。

「こんな陰湿な映画、爽やかな秋晴れの休日に観るんじゃなかった!」って一瞬後悔したけど、化け猫が登場してからはとても賑やかで楽しいレトロホラーになって安心。
化け猫のメイクや、人間に飛び掛かる黒猫ちゃんの描写、わざとらしくて笑える合成など、チープな部分も沢山あって昭和の香りがプンプン。
予想外に(本当に僅かだけど)臓物ポロリまであって感動した!

唯一の癒しであるスケベオヤジの山城新伍や、キャットアイラインがよく似合う凛々しい美人の谷ナオミや大原美佐、俳優陣の思い切りが良い演技も◎
まぁでも相当な不快感を煽られるという意味では、一番の名演技且つ恐ろしい存在は恋人役の室田日出男だよなぁ…。
結論として、やっぱり世の中で一番クズで醜くて恐ろしい生き物は人間だよねって話。
茜