久々観賞。
一時期、井上ひさしの小説をよく読んだ。その中でもこの作品は大好きだった。
舞台は仙台。落ちこぼれ高校生三人組は酒盛りし女の子のことばかり考えている。そこに東京から都会の雰囲気をまとった転校生(草刈正雄)がやってくる。
何てことない描写だが、品行方正を真面目に求められる現代(特に東宝)ではこのまま描けないだろうなっていうエピソードが結構ある。でもこの奔放さ、下品さ、そして勘違いの正義感がいいんだ。これが岡本喜八。
一応草刈主役だが、丹波義隆がメインというのも珍しい作品。
普段スケベなチョロ松校長が肝心なところで、生徒たちを守るためすべての罪を一身に背負うシーンにホロリ。あの英語の語呂合わせの歌!笑う。ハナ肇ってこういう人間味あふれる人物を演じるとピッタリはまる。
みんなのマドンナ秋吉久美子は当時旬の人。残念ながら出演シーンは短い。
今回観て、主人公たちの幼なじみハツ子(鶴間エリ)のエピソードが切なかった。
岡本喜八印の決してさわやかじゃない青春映画。
初鑑賞:1976/3/12 西新中央日活
1979/5/13 京一会館