エイデン

怪談のエイデンのレビュー・感想・評価

怪談(2007年製作の映画)
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その昔 下総国羽生にて、女房と死に別れ、お志賀とお園という2人の娘と暮らしていた鍼医の宗悦は、貯めた金で高利貸しを行っていた
ある日 宗悦は、藩士である新左衛門の屋敷に貸し金の取立てに向かう
利子を含めて65両という大金に、新左衛門も返す金が無いとはぐらかそうとするが、宗悦はなおも食い下がる
押し問答を繰り返すうち、とうとう豪を煮やした新左衛門は刀を抜き放つ
宗悦は庭へと逃げ、落ちていた草刈鎌で反撃を試みるも、そのまま恨みの言葉を残しながら斬り殺されてしまうのだった
事を公にしたくない新左衛門は、沈んだ者は二度と浮かび上がらないと噂される“累ヶ淵”へ宗悦の遺体を捨てさせ、草刈鎌を魔除けに成仏を祈る
しばらくして、残されたお志賀とお園は姿の見えなくなった父を探すも見つからず、悲しみに暮れるのだった
ところがそれ以来、新左衛門には不幸が降りかかり、ついには乱心し妻を斬り殺して自害、お家は取り潰しとなってしまう
それから25年後
新左衛門の息子 新吉は、叔父の勘蔵に引き取られ、しがない煙草売りとして生計を立てていた
そこに偶然 御唄の師匠をしていた豊志賀(お志賀)が通り掛かり、煙草を買ったことで運命的な出会いを果たす
やがて年の差を乗り越えて結ばれる2人だったが、お志賀の深い愛情が悲劇を呼ぶことになり・・・



Jホラーシアター5作目
江戸時代に知られた累ヶ淵の女幽霊譚を元にした怪談落語『真景累ヶ淵』が原作

古典怪談×ジャパニーズ・ホラーといった印象の作品で、様式美を感じる世界観はなかなか

いわゆる愛憎劇で、ドチャクソ重い女になったお志賀が独占欲を爆発、新たに妻を取れば必ず取り殺すと遺して死んでしまい、エラいことになるというもの
また新吉のモテ具合がハンパないので、色んな女に流れては、お志賀に追い詰められていくという
モテる男は辛いんですねえ

ドラマ重視の作品で、ホラー描写などは特に大きいわけでもないけど、お志賀の情念はしっかり感じられる
幽霊の出る怪談ではあるものの、そういう意味ではヒトコワな物語
ややアレンジは加えられているけど、有名な原作の格式を落とさない程度の作品にはなってるので観ましょう
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