皿鉢小鉢てんりしんり

怪談の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

怪談(2007年製作の映画)
3.5
決して悪くないのではなかろうか。
額の傷、アップで撮る前に引きの絵でバレてるのどうなんだとか、意味深な顔に寄ってくショットに時間とっててダサいとか、見上げた釣り橋の板の間から異形の存在が、は良いけど女の喚く芝居が興醒めだとか、ラストそのまんまサロメじゃねえかとか、言いたいことはないわけではないが、ちゃんと時代劇として風格のあるものに仕上がってるから立派だと思う。
まあこの評価の低さの一因としては、“古典怪談映画に小中理論的なJホラー表現が取り入れられたらどうなるのか”をみんな見たかったというのはあると思う。そして全くそういう映画にはなっていない。ロージー信者の中田秀夫らしいメロドラマをやってるだけで、だから女優さんのエロスはよくやっていると思う。正妻じゃない方と部屋に入っちゃった時の、わざと戸を開けて外の喧騒を部屋に入れる男とか痺れた。
全く泣かない赤ん坊というアイデアも不気味でよい。