おじぎちゃん

仕立て屋の恋のおじぎちゃんのレビュー・感想・評価

仕立て屋の恋(1989年製作の映画)
4.6
ルコントの作品は「髪結いの亭主」しか観たことないけど、その時も強烈な印象を受けた。今作もまたしかり。
はっきり言ってきもい、怖すぎる覗き見男。飼ってるネズミを見るときと覗き見の時の目が同じ。男を嫌う近所の人たちもあからさま過ぎて怖い。
でも一番怖いのはその男を手玉に取るアリスの悪女ぶり。愛する婚約者のために盲目になっているとはいえ、きっと気持ち悪くてしょうがないと思っている男に触られても嫌な顔ひとつせずだませるスゴ技!その夢中になってる婚約者がどうでもよさそうな男なのも悲しい。
見るだけで満足だったのにアリスの誘いによって二人で暮らすことを夢見てしまう男。やはり騙され、裏切られ、悲惨な結末。だけど半分はわかっていたのだと思う。でもそれを選んだんだと思う。
短い時間で淡々と物語が進み、無駄が一切ない。心に残る作品でした。
おじぎちゃん

おじぎちゃん