サトタカ

灼熱の魂のサトタカのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.0
ネタバレを読んではいけないタイプの映画。「メッセージ」、「ブレードランナー2049」、「DUNE/砂の惑星」でも知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督なので、てっきり「ドゥーーーーーーーん…」というお得意の意味ありげな重低音が鳴り響くかと期待したが、そんなことはなく。とにかくやたらめったら重い話で、よくこんな脚本書いたなという(呆れ)。「焼け焦げるたましい」という戯曲が元らしいんだけど。
双子のジャンヌとシモンの母親ナワルが死に、二人は公証人から遺言を受け取る。そこで彼らは死んだはずの父と兄の存在を知る。ジャンヌは父親への手紙、シモンは兄への手紙を託され、母親の故郷中東に向かう…。レバノン内戦下で母に起きた想像を絶するできごとの数々を知ることになる二人…。
いやー、それがほんと重すぎる。
中東では珍しくキリスト教徒の多かったレバノンと周囲のイスラム教ムスリムの間で紛争が起き、パレスチナ難民がレバノンに流入。内戦は泥沼化していく。この映画では1975年の内戦勃発前後のレバノン社会を(母の)舞台にしている。
想像以上にハードな内容であり、見終わった後にひたすらゲンナリさせられることになる一本。脚本、役者の演技、カメラワーク、語り口などハイレベルでさすがドゥニ監督と唸らされた。
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