ゆのは

灼熱の魂のゆのはのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.1
23/No.62

心に重くのしかかる衝撃作。

時には自分にとって
知らない方が
良い事実がある。
しかし、時として
知りたくなくても
知るべき事実がある。
そして、その向こうには
真実の愛がある。

レバノン内戦についての
知識が無さすぎて、
映画を途中で一時停止し
簡単に調べてから
続きを鑑賞したが、
ちょっと勿体無いことをした気分。
記憶をリセットして
もう一度始めから観たい。

母の遺言を通して
明かされた彼女の壮絶な半生と
連鎖の果てに見出す衝撃の事実。
彼女の想いを知った時、
観る者は言葉を失う。

他の人のレビューを
読んで思ったが、
社会派というよりは、
ヒューマンドラマとして傑作。

この時代、この土地に限らず、
世の中や運命に
翻弄されながら生きることは、
もはや人間の宿命である。
その他「母と子」「愛」「人生」
なども全ての人にとって
普遍的なテーマと言えるだろう。

こんなにも重厚で
上質なストーリー。
レディオヘッドの物憂げな曲や
悲劇的なオペラが合わさり、
さらに心が揺さぶられた。

これが、
ドゥニ・ヴェルヌーヴの
出世作か。圧巻。
ゆのは

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