こーた

灼熱の魂のこーたのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.2
まさにラスト15分の衝撃。母親の遺言を受けた双子の姉弟。弟がさっさと無視して開けてしまおうとする様子からも、母親との関係は良好ではなかったことが窺える。一方責任感の強い姉は、遺言の指示通り父親を探しに行くため母親の故郷に向かう。
姉はジャーナリスト・探偵さながら母親の痕跡を辿っていく。母親の故郷では家名を汚した存在として忌み嫌われ、監獄に収容されていたこと、殺人を犯していたこと、拷問人にレイプされ身籠ったのが兄であることなど、衝撃の事実が次々と明らかになっていく。
終盤は弟にバトンタッチし、兄を探すことになる。そこで母親の協力者、かつては母親を利用した男から兄の半生、そして現在の名を知ることになる。1+1=2ではなく、1だったのだと…。
なんでこんなまどろっこしいことをするんやと思うけど、終盤で全て腑に落ちる。母親の過酷で残酷で衝撃的な人生を経たことを理解するのは、言葉ではとても言い表せないしきっと信じてもらえないだろう。死で物語は終わらない。少なくとも母親と双子の物語はここからまた始まる。死ですら必要なプロセスだったのだ。
双子と母親の2つの視点で進む構成は序盤少し分かりづらいものの、中盤からどんどん目が離せなくなる。お母さん逞しすぎるて…。
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