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灼熱の魂のaiのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
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2023年、252本目。

レバノン内戦を背景に描くサスペンス。
母の遺言により父と兄を探し、辿り着く真実があまりにも残酷で息を呑んだ。
情けのかけらも無いバスの銃撃シーンはこの国の現実なのだろう。
この時のナワルの果てしない絶望が壮絶な人生を送るきっかけになったのだろうと思うとやるせない。
母の愛の深さだけでは済まされないメッセージが込められている、このご時世にこそ観て欲しい作品だった。

ナワルは遺言で自分の想いを伝える事を選んだが、この決断は残された子供達の人生より自分のエゴを貫いたんだと私は感じた。
受け止めるには重過ぎる真実を伝えるという行為は母としてするべき行為だったのだろうか、という気持ちが後に残りモヤモヤした。
全てを伝えず墓場に持ち込むのも、唯一の母という存在からの愛を伝えるのも、愛の形という事なのか。
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