ゆき

灼熱の魂のゆきのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.8
パレスチナ難民をきっかけとしたレバノンの内戦が舞台になっている。
元々アラブ系の中で複数の宗教を民を抱えるレバノンが、難民(イスラム教)の増加で、レバノンの主に富裕層(キリスト教マロン派)とが衝突する。のちにレバノンからは多数の亡命者がでているが、おそらく母(ナワル)はその亡命者の一人だと思われる。
母の軌跡を子供たちが辿っていきながら、自分たちのルーツを知っていく物語。

最初のレディオヘッド(You and Whose Amy?)の音楽と流れるようなオープニング映像でぐっとひきこまれました。
最適な過去と現在の交互の見せ方。
敵味方も関係なく、善悪を問う戦争映画でもなく、血筋と憎しみの連鎖をきりたいと切実な叫び。
静かながら力強く美しい映像。戯曲も読みたくなりました。今年見た中では1番ぐっときた。
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