このレビューはネタバレを含みます
あらすじ
カナダで暮らす双子の姉弟に母親からの遺言が届く 姉、弟それぞれに遺書の手紙が公証人より手渡され、自分たちの父親と兄の存在について知ることになる 遺言の真偽を確かめるため、主人公の姉は母親の故郷の中東へ旅に出る
母親視点と姉・弟視点の現在が交互に描かれて、母親の辿った人生とその痕跡がわかっていく 宗教の違いによる夫との死別、出産後に兄である息子との別れ、バスでの虐殺による現実の残酷さ、暗殺と刑務所でのレ○プによる妊娠 そして双子の出産
母親の送った壮絶な人生と、なぜプールで放心状態になって死んだのかの答え合わせがされる 実は父親と兄は同一人物だった 母を犯し拷問した人物こそ、母が追い求めた息子その人だった そして自分たちはその子どもだった 母はプールで偶然兄と再会し、その事実を知って呆然としたのだ
ラスト 姉と弟は兄に母からの手紙を渡す 弟が母の墓に墓参りする
過去に無知だった主人公が、母の遺言をきっかけに自分の血筋を知る旅へ出て、壮絶な事実を知ることになる
相手への想いゆえに人はすれ違ってしまう だが主人公の行動によって想いが届く