ヤクザに追われる序盤から逃亡者的な展開を予想したらとんでもない。理解不能な世界に放り込まれて始まる摩訶不思議な共同生活を通して、徹底した人生の肯定、狂おしいほどの生への渇望を描く。サイケでノスタルジックでエキセントリックでパワフル。凄い迫力。
過ぎ去った過去、思い描いた未来、そんな幾人もの思いが凄い勢いで流れていき、それらを全てひっくるめて必死で舟を漕ぐ現在。アニメだからこその表現力で人生讃歌を高らかに歌い上げる。神によって時間を戻すという奇跡から、最後はさらなる奇跡を自ら起こす。何だこれは。すげーな。
今田耕司始め芸人が声を務めるということで顔が浮かんできたらやだなあと思ったけど、浮かぶどころか思い切り見せちゃってました。でも芸人のなかでも芸達者が揃ってるので問題なし。むしろ虚構が現実を含むことによりフィクションの中のリアルが際立つギリギリのバランスです。
