エピゴーネンの臨界点
ウィリアム・ガードラー「グリズリー」
最近クマが人間を襲う話の映画を2本続けて観ました。
ひとつはジョン・フランケンハイマーの「プロフェシー 恐怖の予言」、そしてもう一本がウィリアム・ガードラーの「グリズリー」。
スピルバーグの「ジョーズ」をきっかけに70年代から流行った動物パニックものです。
この頃、エピゴーネンというドイツ語はまだ浸透していなかったと思いますが直訳すれば(亜流)とされるこの言葉が、映画界では蔑称であるのは言うまでもありません。
ですがどんなものでも徹底すればやがて神格化します。
(真似事)だろうが(模倣)だろうが「ジョーズ」を模した「グリズリー」と「スターウォーズ」を模した「マニトウ」を世に送り、次回作準備中に飛行機事故であっという間にこの世を去ったウィリアム・ガードラーの名は(柳の下のドジョウ)の底力を見せた映画作家として映画史に残る事でしょう。