Hiroki

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコルのHirokiのレビュー・感想・評価

4.0
もはやM:Iシリーズを追っているのか、SAG-AFTRAのストをおっているのかわからなくなってきてますが、ここでいったんSAG-AFTRA とAMPTPの立場を整理。
興味ない人は大幅に飛ばしてください!

SAG-AFTRA側(これはWGAにも言えるが)が引けない理由は“ストリーミングサービスにおける報酬のルール”と“AI規制と肖像権におけるガイドライン”。
前者は配信側が作品のアクセス数を非公表にしている限り実現は難しく、配信プラットフォームにとってこの数字は何よりも重要なためそう易々と公開はできない。
後者はさらに深刻で、経営側であるAMPTPが「俳優がスキャンされその日1日分のギャラを貰うだけで、そのデータと権利を所属会社が所有して永久に使用できるようにするべき」と発言しているらしい。
これは俳優にとってはとても許容できるレベルの話ではない。
さらに最近配信になったマーベルの新シリーズ『シークレット・インベージョン』のオープニング映像をAIが生成したことが発覚したり、資金難だからと繰り返しているAMPTPの一角であるディズニーのボブ・アイガーCEOが約2,500万ドル(約34億円)の年俸を貰っていたりと火に油を注ぐニュースが毎日のように出ている。
しかしながらそのAMPTPは実はそこまで問題解決を急いではいない。
というのもこれをチャンスとばかりに(特にWGAに対して)無駄な経費を削減したいという思惑があるらしい。
たしかに既に完成した映画のプロモーションに俳優陣が参加できないのは困るが、テレビや配信に関しては既に撮影まで終わっている作品の配信ペースを落として(例えば月に10本新作を出していたとしたら月3本にしたり)、残りはAMPTPが関わっていないリアリティ番組や海外作品を増やす事で充分に対応可能だと見ているようだ。
そして組合の大多数を占める売れっ子とはいえない俳優や脚本家が泣きついてくるを待っていれば良いと考えている。
特に配信プラットフォームは採算度返しでこれまで大量に作ってきたコンテンツ過多な現状を見直さないといけないと考えていた時期で、都合が良いとみている気配すらある。
これは長い長い闘いの幕開けなのか...
しっかり注視していきます!


さて本題ですが、4作目の今作はなんと『Mr.インクレディブル』シリーズで有名なピクサーのブラッド・バードが監督!
前回監督のJJ・エイブラムスは製作に。そして前回で降板したトム・クルーズの相棒ポーラ・ワグナーの代わりにJJ・エイブラムスの相棒のブライアン・バークも製作に加わる。(ちなみに今作からJJ・エイブラムスの制作会社バッド・ロボット・プロダクションズも参加。)
脚本は『ミュータント・タートルズ』シリーズのアンドレ・ネメック&ジョシュ・アッペルバウム。
撮影はPTA作品で有名なロバート・エルスウィット。
音楽は前回より続けてマイケル・ジアッキーノ、編集は1作目から久々に復帰のポール・ハーシュ。
今回も相変わらず豪華な陣容。

今作はチームという言葉が異常に強調されている通り、前作からその流れがあったイーサン・ハント(トム・クルーズ)の単独プレイからチームプレイへの移行が済んだ感じ。
特に今作からイーサン以外のメンバーのジェーン(ポーラ・パットン)とブラント(ジェレミー・レナー)もがっつりアクションしてます。ベンジー(サイモン・ペッグ)も少しだけ。
まーただ当然の如くトム君のアクションは群を抜いてる。
というかもーどんどんエスカレートしてドバイのドバイの世界一高い建造物ブルジュ・ハリファの壁をスタンドなし、命綱1本でよじ登ってました。(有名な話としてこの撮影の最中にドバイの観光客がトム君が宙吊りになっている姿の動画をネットにアップしたことで本当にCGを使っていない事が判明した。)
しかも今作ではトム君のガンアクションが一切ないのも特徴。他のメンバーにある意味アクションの中では簡単なガンアクションは任せて、自分はそれ以外のアクションで魅せるというのも凄い。
そしてアニメーション制作からCGに慣れているブラッド・バードなので、他作品よりCGが多いのもアクション的にはインパクトが大きい映像が作れている。クレムリン爆破したりしてますからね。
アクションに関してはシリーズを通しても随一の出来だと思う。

また今まで疎かにされていたチームメンバーのキャラクターやバックグラウンドにもちゃんと触れられている。
ベンジーのコメディリリーフぶりや、色仕掛けをしようとするのにうまくいかないジェーンのキャラも良い。
そしてなんといってもブラント。
彼がイーサンの妻ジュリア(ミシェル・モナハン)の死に関わっている事への自責の念からチームを抜けようとするラストシーン。
そこからジュリアの死が偽装だった事がブラントに告げられ、安堵したブラントがチームに残る事がわかってからのジュリアの登場。
しかし会って話す事は許されない。
遠くから見つめ合うイーサンとジュリア。
そしてエンドロール。
大好きなラストシーン。
なんかもーこれが最終回のラストでも良かったと思うくらい良い。

キャストはここでチームが固定するかなーと思いきやポーラ・パットンは今作で終わり。
なぜ...でも次回からあの人が登場しますからね。
レア・セドゥが中ボス的な役どころで登場してるのもまた謎だった。まだそこまで売れる前だからか。なんかもったいなく感じてしまう...
あとウラジーミル・マシコフが演じるロシア諜報員の役どころがどーみてもルパン三世における銭形警部にしか見えなかった。三つ巴の構図になってて楽しめたけど。
そして『LOST』シリーズのメインキャストの1人ソーヤー役のジョシュ・ホロウェイも出演してます。やはりJJ・エイブラムスやりたい放題。

さて次作は...といきたい所ですが、ローグ・ネーションは前に観た時にレビューを書いていたようなので次はフォールアウトでお会いしましょう!
しかしなんでローグ・ネーションだけレビュー書いたのだろう...

2023-47
Hiroki

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