このシリーズはどの作品も好きだが、個人的にはこの作品が一番気に入っている。
まず舞台がいい。モスクワ、ドバイ、ムンバイと大きく3つの都市が舞台となるのだが、それぞれの描写がよくできている。現地の人々や街並みがしっかり考察されたんだとわかるくらいに作り込まれていて、旅行に来たかのような没入感を味わわせてくれる。それを彩る音楽も良い。
そして毎度のスパイアイテム。前作よりもバリエーションが豊富になっている。007シリーズを彷彿させるハイテクカー、タワーを登れる吸着手袋、相手の目の動きに合わせた迷彩スクリーンなど、見ていて全く飽きない。
個人的にワンポイントに感じたのは、ところどころ機械が不具合を起こしてしまうところ。便利だが時折役に立たないのがリアリティを生み出してて良かった。
キャラクターも評価したい。イーサンはもちろん、ベンジー、ジェーン、ブラントそれぞれキャラが立っていた。敵のおじさんも地味目ではあったが、信念を持った天才というキャラは悪くなかったし、コードを盗んだお姉さんやインドの金持ちもいい味を出していた。ルーサーがチョイ役だった点が唯一残念だったところ。
一つ注意点としては、前作や前前作のようなラブロマンスは全くといっていいほどないため、スパイものに恋愛がないのは異端だと感じる人には不足感が出てしまうと思う。
総じて、2時間を超えるこの映画だが全く断長に感じることなく楽しく見ることができた。傑作のスパイ映画。
