櫻イミト

輪舞の櫻イミトのレビュー・感想・評価

輪舞(1950年製作の映画)
3.0
「歴史は女で作られる」(1956)が面白かったので同監督の作品を鑑賞。
19世紀末のウイーンを舞台に、メリーゴーラウンドに立つマント男の狂言回しによって、連鎖した幾つもの恋が描かれる。

冒頭の長回しはオフュルス監督ならではの見事なカメラワークでなめらかさが気持ち良い。内容はカップルの一方の不倫を数珠つなぎで描いていくもので、フランス映画らしい刹那的な恋と痴情がテンポよく進んでいく。間に挟まる狂言回しのクールな語り口はどこか恋の退廃への悟りを感じさせ、独特な世界観を作っている。ストーリーではなく雰囲気を楽しむ映画だった。

豪華俳優陣とのことだがシモーヌ・シニョレと「天井桟敷の人々」「しのび泣き」のジャン=ルイ・バローしか認識できず。
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