マヒロ

サルート・オブ・ザ・ジャガーのマヒロのレビュー・感想・評価

2.0
どうやら文明が崩壊しているらしい近未来の世界において、その競技での成功が富に繋がるという、謎のラグビーもどきのスポーツに熱中する人々を描いた映画。

このスポーツがなかなか不思議なルールで、ボールの代わりに何故か動物の頭蓋骨を使い、試合時間はタイムキーパーが石を100個投げ終わるまでというアバウトっぷり(終わる頃には腕がパンパンになってそうだ)。なにより、暴力に一切制限がなく、試合中は耳はちぎるわ目潰しするわのやりたい放題。
近未来で暴力的な架空のスポーツと言われると、個人的には珍作『ローラーボール』のことを思い出してしまうんだけど、こちらは珍作というほどのヘンテコさもなく、平坦な印象。主人公たちの人となりがほとんど描かれず、本当にただ富を求めてスポーツをやってるだけの人たちにしか見えないし、そのスポーツもとにかくボコスコ殴り合うだけの描写が延々続くので、しまいには飽きてくる。

監督は『ブレードランナー』や『12モンキーズ』などの独特の世界観をもつ近未来SFの脚本を担当したデヴィッド・ピープルズなんだけど、自作では精彩を欠いたという印象。
主演のルドガー・ハウアーはじめ、ヴィンセント・ドノフリオが血の気の多い若者を演じていたり、『マッドマックス』のヒュー・キース・バーンがまたもや世紀末世界の首領を演じていたりと、どこかで見た人がチラホラいるのは一つの見所かも。

(2017.71)
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