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わんぱく戦争のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

わんぱく戦争(1961年製作の映画)
4.0
隣村の少年たちとの戦争ごっこの話で、前半は無邪気なケンカが可愛くって可笑しくて、もう堪らなかったのですが、双方本気になってエスカレートしてしまいます。後半、リーダー格の少年の父親からの暴力にも視点が移り、子どもたちのケンカではなく、戦争への皮肉だったことに気づかされました。

原題は原作の「ボタン戦争」。相手の服のボタンを戦利品にするからですが、大人たちのつぶやきから核戦争(ボタン一つで始まる戦争)を意識した作品だとわかります。

製作者のそんな意図とは別に、子どもたちの生き生きした表情が堪らんです。もう男の子って!って笑ってしまうラブリーなシーンばかり。とくに弟プチ・ジュビス(ジャケの男の子)のすっとんきょうなセリフと表情が最高に可愛い💓

ケンカのきっかけ(医療の寄付金集め)をすっかり忘れて、戦争をゲーム的に高度化させるテクニックは本能的に人間に備わっているものなのかもしれないという懸念を感じさせながら、温かさやいたわる優しさも持ち合わせていて、リーダー格の少年の複雑な心境もうまく描かれていました。

学校の先生は生徒とは心情的に距離ある冷静な立場でした。父親たちは飲んだくれ。頼れる大人がここにも不在。


<秘密基地、泥んこ遊び、裸で突撃、ロバの騎兵隊、「フなんとか」、共和主義に倣って、寄宿舎という名の施設>
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