このレビューはネタバレを含みます
全編に漂う喪失感、息苦しい程だった。観ているこちらも不安になる位。時系列がバラバラなのがかえっていい。
オリヴァー(ユアン・マクレガー)の空虚感の元は、父であるハル(クリストファー・プラマー)が突然ゲイであることをカミングアウトし、パートナーも得て、充実したまま亡くなったことだろうと思う、自分が誰だか分からなくなる程だろう。
そのゲイであることを、この時代だから、治してあげる、と結婚し、今は亡くなっている母ジョージアの不安定さも、オリヴァーの空虚感に影響しているのだろう。
オリヴァーの恋人になるアナ(メラニー・ロラン)も不安定な父の影響を受けている。
唯一、安定しているのは、犬のアーサー。オリヴァーもアーサーに一番慰められる。
ラストで、オリヴァーとアナ出発点に立ったのが救いといえば救いかと。
クリストファー・プラマーが良かった、さすが名優かと。メラニー・ロランの感じのよさも。ユアン・マクレガーの空虚感も上手い。犬のコスモが一番の名演かも。
マイク・ミルズ監督作観るのは3作目。「カモン カモン」が良かったのでこちらも観ることに(2023.1.29)。