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クレージーの花嫁と七人の仲間のKEIのレビュー・感想・評価

4.8
それぞれの役柄がバラバラなクレイジーキャッツの面々にSKD出身だから踊る倍賞千恵子、キャバレーのホステス役に淡路恵子、ミッキー・カーチスが生CMをやって、ザ・ピーナッツ、藤木孝、スマイリー小原とスカイライナーズ、平岡精二クインテット、スリーファンキーズ、中尾ミエが踊り歌い演奏し、青島幸夫(原案)も出てきて、更に当時の名コンビ三木のり平&八波むと志(友情出演)が劇場でやってたような喜劇を披露、飯田蝶子&高橋とよの小津作品に欠かせない2人も出演。極めつけはナベプロ創業者の渡辺晋(この作品の企画)も、自らのバンドを率いて登場。大喜劇スター伴淳三郎、メインキャスト陣で一番高齢なのにダチョウ小屋に落ちるという一番身体を張った笑いを披露してくれた。こんなに盛りだくさんで86分。濃い!面白い!ありがとう!こういうエンターテイメント溢れる映画が大好きです。登場人物の整理に時間はかかるが、変に話が間延びしないので、なんなら東宝のクレイジー映画よりも好きかも。同じ松竹の小津作品とは少し異なり、女性たちが自分たちで決断する作品でもありました。

主人公のハナ肇、一連の山田洋次との作品や、東映ヤクザ作品、後期の代表作の『会社物語』にも通じる、おかしみとかなしみが同居する演技で、最後の最後に出たお馴染みのガハハ笑いの悲哀たるや完璧でした。
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