ベビーパウダー山崎

クレージーの花嫁と七人の仲間のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

3.0
植木等が飛び道具的な役割で本筋はデカい図体して不器用な生き方しかできないハナ肇。周りの男女はそれなりに幸福をつかんだのにひとり寂しく生きていくしかないハナ肇、哀愁背負って健気に馬鹿笑いするラストが切ない。伴淳三郎や植木等みたいに調子良く世渡りできるオッサンになるか、ハナ肇のように貧乏くじを引かされて、いい歳して老いた母親と同居しているオッサンになるか。滅びゆく映画を今さら熱心に見ている私たちは間違いなく後者で、だからこそ刺さる。一区切り付き、寿司屋の「仕事」が動き出して終わる厨房裏から捉えたラストカットが良い、このさりげなさが粋。ザ・ピーナッツ、改めてまじまじ見るとデビット・リンチ映画に出てきそうな面構えと存在感。