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犯罪河岸のRのレビュー・感想・評価

犯罪河岸(1947年製作の映画)
4.0
今回は昔の映画探求編。H・G・クルーゾーの映画だというのと、印象に残りにくいタイトルだな、というのでこれを選んでみた! 僕が見た他のクルーゾー作品と比べると、全体としてはまぁまぁかなくらいの感想。ただ、期待していたものと違ってたっていうのが大きいかなと思ったので、これから本作を見ようという方は、他のダークな感じと違って、どちらかというとライトな人情喜劇的なものを期待して見ると良いかと思われます。まず、主人公のモーリスはキャバレーで演奏するピアニスト。奥さんのジェニーは素晴らしい声のシンガーだけど、いつも男に色目を使って、それにつけ込む男もいて、モーリスはやきもちで怒ってばかり。けど、何だかんだで、ジェニーは旦那さんのことがかなり好きなようで、おうちに帰って来て、コートのフロントを開けて、セクシーな格好を見せ、旦那に色目使ってるショットおもろすぎた😂😂😂 カメラがジェニーにズームインして、垂れ目をさらに垂れさせて、口を軽く開け、舌をのぞかせる。犬か!笑 からのおなべ吹きこぼれ。ある日、下心をもってジェニーに映画出演の話を持ちかけてきた男の家に、妻がコッソリ内緒で出かけて行ったことを知ったモーリスは、ピストルを持ってその男の邸宅に向かうのだが、到着して家に入ってみると、その男はすでに何者かに殺されていた……という流れで、そこからスリリングなミステリーが展開するのかと思いきや、殺したのがジェニーであることがさっそく明かされ、後半はガラリと視点が変わって、刑事さんが事件の謎を解いていくドラマが展開。いつもがなり声の威圧的な雰囲気の刑事さんで、だれに対しても変わらぬ厳しさを持ってるんやけども、どうやらこの人、植民地から連れて帰ってきた少年を養子にしてて、ちょいちょいその子が出てくる。寝てる彼にやさしくキスしたり、学校の算数のテストが良くないのを心配したり、一面的に怖い刑事さんってだけではない、人間らしいところが描かれてて、なんとなく好感が持てる。この人が、開店前のレストラン(?)でピアニストの夫婦に尋問するシーンの演出おもしろかった! バックでストリングス演奏隊がものすごスリリングな音楽をプレイし始めると、夫婦への尋問が始まり、尋問が終わって、刑事さんが去って、夫婦でお互いのアリバイを確認し合って、シーンの終わりと共に演奏終了! ブラヴォー! あと、もうひとり、非常に重要な役割を持つ女がいて、女性のヌード専門写真家で、モーリスの幼なじみ、彼ら夫婦の下の階に住居兼スタジオを構えているのだが、このドラという人がものすご美人! ジェニーは大して可愛くないし表情がだらしないんやけど、ドラはめちゃくちゃシャープで華やかな顔してて、けど、彼ら夫婦にものすごく優しく、最初は、あー、この人も幼なじみのモーリスのことが好きなんだなぁ、けど、妻のジェニーのことも大切に思ってるんやなぁ、と思ってたら、途中で、おや? どうやら…ドラは…ジェニーのことが……好き??? ……となっていきます。ははー。百合ですか。と思ってたら、何と、意外や意外な人物が、ドラの話を聞いて、自分もあなたと同類ですよ、と言ってくる。ええーーーーーーー!!! なるほどー。だから、あの〇を〇〇に取ったんやー。そうせな無理やもんなー。と言うのがわかります。ほんで、その後も一悶着あったあと、えっ⁈てくらいあっけなく事件は解決するのだが、まー、クリスマスのお話でもあるし、めでたいからええか!ってなります。心温まるラストショットは心に残りますよ^ ^ クルーゾーにしては意外な作品やったけど、なんだかんだで、2回見てみて、そこそこ楽しめました!!! まぁでももう見ないかな笑 一回は見てみてもよろしいのでは。
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