とうじ

犯罪河岸のとうじのレビュー・感想・評価

犯罪河岸(1947年製作の映画)
2.2
そこまではまらず。
クルゾーは「恐怖の応酬」「悪魔のような女」「真実」と、どれも大好きな映画ばかり撮っているような印象を持っていたが、それらに感じていた面白さは、彼の「意地悪さ」にあったのだと気付いた。
毒牙を抜かれ、優しい味わいである本作は、複雑で巧妙な物語、興味深いキャラクター造形があるのにも関わらず、それに満足のいく踏み込み方ができていない気がした。(と言っても良い演出はあった。死体発見シーン、自殺シーンなど)
また、この手の映画で必然である、ユーモアが欠けているのも問題であると思う。同じ概要でヒッチコックやホークス、ワイルダーが撮ったらどのような傑作が出来上がったのだろう。
妻がセクシーな格好で家に帰ってきた瞬間、沸騰した牛乳が鍋から溢れるインサートが入る演出は「いい加減にしなさい」って思った。
スプリットダイオプターを使った映画の中で最も古いもののうちの一つに入るのでは?
とうじ

とうじ