にっきい

子連れ狼 その小さき手にのにっきいのレビュー・感想・評価

子連れ狼 その小さき手に(1993年製作の映画)
3.0
橋の上からちんちん丸出し大五郎の立ちション。

昨日星野源と新垣結衣の結婚のニュースには驚きましたが、もう一つ田村正和さんの訃報にも驚きました。
その田村正和さん主演の映画を劇場で観たのは今作だけです。

上様以外で唯一葵の御紋を纏える男の話し。
コレは田村正和の当たり役、古畑任三郎以前の作品なので、晩年の飄々としてキャラクターではなく、徹頭徹尾クールな武士を演じています。
今作の大五郎は乳母車に乗らないし、今まで映像化されてきた子連れ狼とはかなり雰囲気の異なる作品になっていますが、原作の小池一夫自らが企画し、新しい拝一刀を作りたいとの申し出たそうです。
元々の公儀介錯人、そして水鴎流の達人、同田貫の使い手と設定だけでも魅力的なのに、そこに田村正和のカッコ良さが加わってるんですから、もう無敵です。
田村正和が乳母車押すイメージは無いけど、大五郎をおんぶしてるのもかなりシュール。
ストーリーは公儀介錯人の地位が欲しい柳生一族の陰謀で、お家断絶切腹を言い渡された拝一刀は、大五郎と共に逃亡の旅に出るって話し。
柳生には幕府の要職に付く柳生備前を筆頭とする表柳生と、汚れ仕事を一手に引き受ける柳生烈堂率いる裏柳生がある設定。
欲に目の眩んだ表柳生に比べ、武士として認められてない裏柳生の方がよっぽど武士道に則って生きている。
烈堂役の仲代達矢もカッコいい。
子連れ狼なので爆弾使ったり、黒頭巾で子連れ狼と名乗ったり、娯楽時代劇的な部分も有るけど、それよりは人間ドラマに重点を置いてるから淡々と進む。
長いからやっぱり退屈。
直接今作とは関係ないけど、最近『るろうに剣心』を観たから、水鴎流の達人公儀介錯人vs 飛天御剣流の人斬り抜刀斎の対決が見てみたいw
娯楽性を排し、剣戟としての様式美的アクションによる拝一刀と柳生烈堂の果し合いがクライマックス。
田村正和vs仲代達矢とか渋過ぎです。
ただ主要人物の殆どが死んじゃうので、かなり陰惨なラストですが。
今作、その2人以外にも橋爪功、古手川祐子、池上季実子、石橋蓮司、若村麻由美、岩下志麻と超豪華。
そしてもう1人、今年3月に亡くなられた田中邦衛さんも出ていました。
田村正和さん、田中邦衛さん、お2人のご冥福をお祈りします。

先日アマプラをチェックしてて、邦画のカゴテリー見てたら『紳士は金髪がお好き』、『シャレード』、『風と共に去りぬ』…。
おいAmazon!
字幕が笑かしてくれるのは良いけど、流石にここまで有名作を間違ったカゴテリーに入れるのは職務怠慢だぞ!w




*********鑑賞記録*********
鑑賞日:1993年
鑑賞回:ー
劇場名:ー
座席情報:自由席
上映方式:2D
レーティング:G
上映時間:119分
備考:過去鑑賞記録
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