まーしー

ナイト&デイのまーしーのレビュー・感想・評価

ナイト&デイ(2010年製作の映画)
4.5
夢見がちな女性ジューン(キャメロン・ディアス)が、空港で謎の男性ロイ(トム・クルーズ)と出会ったことから、CIA・FBIに追われることになるコメディ・アクション。

トム様とキャミーのW主演という、何とも豪華なキャスティング。
そして、ハリウッドにおける二人の立ち位置を象徴するかのようなキャラ設定が良い。

『ミッション:インポッシブル』シリーズでスパイを演じてきたトム様が、本作で選んだ役柄もスパイ。しかし、今回のスパイ、腕は確かだが、どこか胡散臭い。
例えば、気絶したジューンが目を覚ますとビキニ姿だった場面。キョトンとするジューンに、ロイはこう説明する。
「真っ暗闇の中、安全ピンとチョコミントだけで爆弾を解体する訓練を受けている」
「目をつぶって着替えさせるくらい簡単さ」
——こんな言い訳をして許されるのは、トム様のルックスと爽やかさがあってこそ。普通の男性が同じ発言をしようものなら、血の雨が降ることだろう。
共演するキャミーも、おしゃべりでお転婆な役回り。おバカに見られがちなブロンド美女の典型を、期待を裏切ることなく演じ切っている。

胡散臭い男性とドジな女性が主演なら、一見ラブコメに終始しそうなもの。
しかし、本作はアクションも盛り沢山。
飛行機内や急行列車内での格闘、街中を舞台にしたカーチェイスなど、多様なアクションは見応えがあった。
また、恒久的なエネルギーを生む未来型電池「ゼファー」を巡って、二人がCIA・FBIから逃げる展開は、なかなかサスペンスフルだった。

豪華キャストで臨んだ本作は、興行的には失敗した模様。
ただ、好きな俳優2人の共演に加え、お手頃なポップコーン・ムービーとして、個人的には大好きな作品。
本作のインド版リメイク作品『バンバン』も気になるところ。