いかえもん

ゴーストライターのいかえもんのレビュー・感想・評価

ゴーストライター(2010年製作の映画)
3.9
ユアン作品の中でも、フォロワーさんたちの評価が高いこちら。ロマン・ポランスキー監督のサスペンス。

イギリス元首相の自叙伝を書くゴーストライターとして雇われたユアン。謎が残る死を遂げた前任者。徐々に真相に近づいていくユアン。その真相とは…というお話。

イギリスのとある島の豪邸に住んでる元首相。その島がねー、寒そうだし、雨多いし、わー!もうイギリスっぽい!寒くて辛そう…。
そこを自転車こぎこぎ謎に迫ろうとするユアン。雨が降ってくるからと気のいいおじさんが貸してくれた帽子の匂いをそっと嗅いでかぶるとこ、なんかかわいい。その気持ちわかる。ま、私ならかぶらないけども。

全体を通して寒くて暗い雰囲気の中、特別かっこいいわけでもなく、(いや、かっこいいねんけどね)普通の青年っぽく物静かで純朴そうなユアンがなんとかかんとか秘密を知ろうとするのがいい感じでした。
奥さんに迫られて、やめておけと自分に言い聞かせるユアン。「猟人日記」の時とは違うなぁ…。その醸し出す雰囲気、まとう空気が猟人日記の時の悪いプレイボーイっぷりと全然違ってて、色気を出したり消したりできるのも、この人のすごいところだなぁと思った。

映画自体は、終始寒々しい空気の中、じわじわと出てくる真実に驚きを重ねつつ、最後の畳みかけのスピードがなかなかよい。渋いサスペンス映画だなぁと思った。