メイマーツインズ

ゴーストライターのメイマーツインズのレビュー・感想・評価

ゴーストライター(2010年製作の映画)
4.2
ロマン・ポランスキー監督の社会派サスペンスの傑作!

英国の前首相の”ゴーストライター〟が知ってしまう驚愕の事実とは…

ロマン・ポランスキーらしい、観客目線で無駄のない丁寧な演出。
そういう意味では、クリストファー・ノーランとは対極かもしれない。

この作品でもポランスキーの演出が光っている。
特にフェリーからの逃亡のシーンは秀逸だ。絶妙な緊張感が観る者を惹きつける。
建物や風景描写も情緒感があり、作品の世界を魅力的にしている。
この作品には、”太陽〟が似合わないのだ…

権力から退いた者の”その後〟の描写も興味深い。ピアース・ブロスナンが前首相ラングを好演していて、実在した英国の元首相ブレアの雰囲気を醸していて、リアリティを感じさせる。
アメリカに追随する当時の英国を風刺しているようだ。

ラストシーンが、素晴らしい!
”チャイナタウン〟のような、洗練されたラストシーンにロマン・ポランスキーの真骨頂をみた!