モカ

処女の泉のモカのレビュー・感想・評価

処女の泉(1960年製作の映画)
3.9
初ベルイマン。
後の様々な巨匠に影響を与えまくった伝説的映画監督らしいですが、自分は映画史に詳しくないので、全然知らないままの観賞。

『魔術師』『野いちご』『処女の泉』と、三作立て続けに観ました。
個人的にはこれが一番印象的。
「少女が教会へ向かう道中、お腹を空かせた羊飼いの三人兄弟と出会い、慈悲心からパンを分け与えたものの、長男と次男に強姦されて殺されてしまい、少女の父親が彼らに復讐するも、勢い余って罪のない末っ子にまで手をかけて……」というような負の連鎖。

程度の差こそあれ、自分が観た三作品はどれも題材として、生と死、信仰と無知、知性と傲慢が共通して取り入れられていました。
ここまで一貫していると、監督の映画に対する姿勢に一本のぶれない芯を感じて、強い安定感を覚えます。
モノクロで古くて難解な映画かと思ってましたが、むしろ一貫性があって解りやすいし無駄がない。巧みに人生の無情を描き出しています。
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